その昔、三原山へと続く登山道には、あんこさんがもてなす茶屋が軒を連ねていました。茶屋では、「サクラバッカス」という果実酒のようなものも販売されていたとか。そんな「『あんこさん』を彷彿とさせるようなお酒を現代によみがえらせたい…」という思いから、あんこさんにちなんだカクテルの制作をプロのバーテンダーに依頼しました。
2つのカクテル「あんこさん」「明日葉モヒート」を開発したのは、バーテンダーの宇塚健さん。2016年、大島のイベントでお酒を作ったのが縁で、今回のカクテル開発に参加。「大島にゆかりのあるものを使う」「カクテルを飲むときに、大島をイメージしやすいこと」をテーマに、大島産の材料を目の前に、様々なイメージを膨らませた。
「あんこさん」は、中身を柔らかなピンク色に仕上げ、グラスはあんこさんの市松模様の着物をイメージしたものを選んだ。「明日葉モヒートは、味のバランスの組み立てが難しかったですが、清涼感のあるモヒートが完成しました」と宇塚さん。大島の恵みが凝縮された2つのカクテルをぜひ、味わってみて欲しい。
Material
御神火 天上
御神火『天上』は、減圧蒸留ならではのスッキリとした味わいで、麦ならではの香りと甘みも。
御神火レモン
御神火レモンは通常より1.3倍〜1.5倍の大きさ。香り・酸味・みずみずしさが際立つ。
塩
伊豆大島の海水100%を原料に、流下式塩田と平釜でつくりあげている塩「海の精」。
大島牛乳
潮風を受けた青草を食べた乳牛から搾取された牛乳はさっぱりとした味わいの中にもコクがある。
椿花びらジャム
椿の花びらを原料としたジャム。美しい天然の色合いと風味豊かな味わいが特徴。
明日葉
今日芽を摘んでも翌日には芽が出る、といわれるぐらい強い生命力が特徴のセリ科の植物。
ANKO-SAN
大島牛乳を使ったカクテル。椿花びらジャムや東京愛らんどべりーが加わってピンクに染まり、あんこさんらしい柔らかさを演出。御神火「天上」、御神火レモン、カシスが、まろやかな味わいの中に、ハッと驚くような清涼感をもたらしている。
Recipe
材料
- 御神火『天上』
- 自家製椿ピューレ(椿花びらジャム、東京愛らんどベリー(苺)、御神火レモン、カシス、海の精(伊豆大島の塩)、シンプルシロップ)
- 大島牛乳
- 生クリーム
- 卵白
※Method:シェイク、Glass:ロック、Ice:ロック
つくり方
- 自家製椿ピューレを作る。椿ジャム、東京愛らんどベリー(苺)、絞ったカシスと御神火レモン(適量)、海の精(少々)、シンプルシロップ(水:グラニュー=1:1)をミキサーにかける
- 生クリーム(10ml)、卵白(20ml)をそれぞれクリーマーで攪拌させる
- 材料すべて、②と自家製椿ピューレ30ml、御神火『天上』30ml、大島牛乳60mlをシェーカーに入れシェイクする
- ストレーナーで濾しながら、ロックアイス入りのグラスに注ぐ
- 椿の花と葉を飾り、椿スプレーをかけて完成
Asitaba Mojito
明日葉をミント替わりに使用したカクテルで、苦い、えぐみがあるといった明日葉のイメージを一掃してくれる会心のモヒート。すっきりとした味わいで、喉越しもよいので、ノンアルコールでもチャレンジして欲しい。減圧蒸留酒の御神火『天上』が清涼感を支えている。
Recipe
材料
- 御神火『天上』
- 明日葉
- 明日葉シロップ(明日葉、御神火レモン、海の精(伊豆大島の塩)、シンプルシロップ)
- ソーダ
- 粉糖
※Method:ステア(かき混ぜる)、Glass:コリンズ、Ice:クラッシュ
つくり方
- 明日葉シロップを作る。明日葉(適量)、シンプルシロップ(水:グラニュー=1:1)、絞った御神火レモン(適量)、海の精(少々)をミキサーにかける
- 明日葉シロップ30ml、御神火『天上』30ml、ソーダ90ml、材料すべてをグラスに入れる
- 炭酸が抜けないように、ほどよく混ぜる
- ストローを添え、明日葉の葉を飾る
- 粉糖をふるって完成
Profile
宇塚 健
TAKESHI UZUKA
20歳~バーテンダーとして修行を積む。
30歳でニューヨークに渡り、NOHOの日系レストラン「BOHEMIAN NY」のバーを立ち上げ。その後、LOWER EAST
SIDEのフレンチカクテルバー「EXPERIMENTAL COCKTAIL CLUB」で唯一の日本人として働く。
「バカルディレガシーカクテルコンペティション」ニューヨーク大会2013 代表。
現在、次世代型ライフスタイルホテル sequence MIYASHITA PARK「Dōngxī」Head Bartender