大島牛乳の生乳をふんだんに使い、卵、砂糖、バター、小麦粉を材料に、水は一切使わず、自然の素材だけを使ってつくる島の焼き菓子「牛乳煎餅」。昔どこかで食べたことのあるような、なつかしくてやさしい素朴な味が魅力です。
牛乳煎餅が生まれたのは、100年以上も前のこと。1918年(大正7年)に当時皇太子であった昭和天皇が来島した際に牛乳煎餅をお召し上がりになったとの記録が残っており、長く愛され続けてきた島の大切なお菓子なのです。
ではなぜ、“牛乳”煎餅なのか?
それは、昔、伊豆大島は酪農が盛んな島で、全国でも牛乳の産地として有名でした。
1900年頃には純粋ホルスタイン種が導入され、牛籍および血統書をつくり登録制度が実施されていました。大正時代には1,000頭、最盛期の1926年には1,200頭あまりの牛が飼育され、「ホルスタイン島」の異名を持つほどでした。
そんな大島の牛乳を使って生まれたスイーツが「牛乳煎餅」だったのです。
そんなみんな大好き「牛乳煎餅」を親子でつくっているえびす屋さん、今でも一枚一枚手焼きにこだわって丁寧に焼き上げているのが特徴。焼き手を担当されている津﨑ほたるさんは2016年にUターン、牛乳煎餅のタネづくり担当の父親とともに日々コツコツと牛乳煎餅をつくっています。
今でも島の特産品として島内のお土産屋さんに並ぶ牛乳煎餅、きっとあんこさんも大好きなお菓子だったことでしょう。
さて、前置きが長くなりましたが、今回はえびす屋さんのちょっと変わった牛乳煎餅をご紹介します。
それがコチラ、通称「あんこRider」と呼ばれるイラストの焼印が押された牛乳煎餅です。
ちなみに、牛乳煎餅には必ず焼印が押されているのですが、これにも理由があります。
デザインとして楽しむのはもちろん、もう一つのポイントが味わいの中に”ほのかな苦み”を加えるため。この“ほのかな苦み”が牛乳煎餅の甘さを引き立て、より美味しさを際立たせているのです。
さて、話を戻して、あんこさんが必死に自転車をこいでいる姿がなんとも印象的なこちらのデザインですが、イラストを手掛けたのは京都在住のイラストレーター滝町昌寛さん、伊豆大島の風俗や動植物など、伊豆大島に関わりのあるモノを独特のタッチで描いた人気のお土産品「御神火マッチ」を手がけられている方です。その自由奔放に描かれたイラストは見る人に痛快な印象を与えてくれます。
滝町さんに依頼して制作したのが、今回ご紹介する「あんこRider」の焼印が押されたえびす屋さんの牛乳煎餅です。
そして、なぜ自転車に乗っているのか?
はい、大島は島の周囲を囲むように一周道路が走り、高低差400〜500mのダイナミックな走行が楽しめるコースや、気持ちよく気軽に絶景を楽しめるサンセットパームラインなど、初心者から上級者まで楽しめるコースが充実しています。
最近ではファンライドイベント「御神火ライド」が毎年開催されたり、アジア自転車競技選手権大会、全日本自転車競技選手権ロードレースといった公式な大会も行われていて、新たなサイクリストの聖地として注目を集めている島なのです。
そんな新たな島を楽しむアクティビティとしての自転車と島の大切な風俗であるあんこさんのコラボがこちらの「あんこRider」なのです。
そんな大島のたくさんの魅力や想いが詰まったお菓子、「牛乳煎餅」ぜひ味わってみてください。
Profile
えびすや土産店
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