伊豆大島のシンボル『三原山』をトレッキング!
伊豆大島は島全体が活火山。その中でも島の中央に位置する『三原山』は、島民に御神火様(ごじんかさま)として崇められてきた、まさにシンボルともいえる山です。
今回は伊豆大島ジオパーク認定ガイド一期生の粕谷浩之さんの案内で巡ったコース、三原山頂口より山頂を目指し、火口を一周した後、裏砂漠方面に下って温泉ホテル方面へと続くコースをご紹介します。
認定ガイドの証
山頂口の案内看板
三原山頂口までのアクセスについて
今回のトレッキングのスタート地点となる三原山頂口までは大島バスの三原山ラインもしくはレインボーラインに乗って行くことができます。降りるバス停は「三原山頂口」になります。また、三原山頂口には駐車場も整備されているので、レンタカー等の車両は山頂口の駐車場に停めることができます。
それでは、絶景の三原山トレッキングへ出かけましょう!!
今回のルートについて
まずは、今回のルートを地図上で確認してみましょう。
スタートは三原山頂口。最初は舗装された遊歩道を進みますが、山頂から火口一周へと続く道から舗装されていない溶岩やスコリアといった砂利の道が続きます。火口をほぼ一周し、裏砂漠方面へと降りていき、途中、裏砂漠地帯に足を踏み入れた後、ゴツゴツとした溶岩地帯を抜けてやがて森へと続く道へ、そして大島温泉ホテルがゴールの充実コースです。
三原山頂口の案内看板
三原山コース内にはご覧のような案内看板が随所に設置されていますので、トレッキングの際の参考に利用されるとよいでしょう。下の写真は三原山頂口に設置されている案内看板です。
ちなみに、今回のコースをこちらの案内看板で確認すると、「山頂遊歩道(舗装道)」→「カルデラ周廻線火口一周コース(砂利道)」→「裏砂漠線(砂利道)」の総距離 7.9km、所要時間 155分のコースになることが確認できます。
他にも今回のコースのゴール地点となる大島温泉ホテル付近の登山道入り口や山頂遊歩道などにも設置されています。
温泉ホテル付近の登山道入り口に設置されている案内看板
三原山山頂遊歩道に設置されている案内看板
さぁ、出発!その前に...
山頂口左手脇の建物内では「ジオパーク展」(土日祝開催)が開催されており、ジオガイドの方が丁寧に説明してくれます。出発前に「ジオパーク展」でいろいろな情報を集めてみてはいかがでしょう?さらに充実した楽しいトレッキングになること間違いなしですよ!
ジオパーク展が開催されている建物
ジオガイドさんから直接お話が伺えます(土日祝のみ)
標高差が良く分かる赤色立体地図
万が一に備え、ヘルメットが借りられます
フロア内には1986年当時の噴火の映像や、溶岩や写真パネルなど、伊豆大島ジオパークに関連のある資料が展示されていて、より分かりやすく、そしてより深く伊豆大島の火山について知ることができます。
三原山トレッキングスタート!
さぁ、いよいよ三原山トレッキングスタートです!
歩き始めてすぐ左手に見えてきた小高い丘、この周辺では噴火した際に流れ出た溶岩の様子を今に伝えてくれています。縄の目のような溶岩をはじめ、さまざまな形状の溶岩を見ながら当時の溶岩の流れを想像すると面白いです。訪れた時季はオオシマツツジが見頃で、溶岩の丘の上に咲くツツジも見事でした。
オオシマツツジが色鮮やかで見事
溶岩の形から当時の流れ方を想像してみる
1986年溶岩流先端部
続いて現れたのは黒いゴツゴツした溶岩が積み重なった場所。こちらは1986年に噴火した際に流れ出た溶岩の先端部で、実際に登ってみることができます。溶岩地帯に点在してたくましく成長する植物は“ハチジョウイタドリ”という名の伊豆諸島の固有種。溶岩地帯のような植物が吸収しやすい養分が少ない場所でも生きていけるパイオニア的植物の一つです。
案内看板
たくましく成長するハチジョウイタドリ
1986年当時の噴火で流れ出た溶岩は山肌から続く黒い筋で確認できます。山頂から続くその先端に立つと自然の力のすさまじさを実感します。
そして、1986年の噴火当時に撮影した写真を見せながら説明してくれました。今立っている場所でも噴火当時は写真と同じような現象が起こっていたのだと想像すると当時の様子がよりリアルに感じられて、非常に興味深いです。
山頂めざして登る
ここからは急な勾配が続きます。ときどき一休みしながら絶景を満喫しつつ登ります。視界が広がって雄大で清々しい気分。いい汗かいてます!空気も美味しい!!
三原神社
山頂に到着するとすぐに鳥居が目に入ってきます。こちらは三原神社。条件が良ければ社殿に向かう参道の鳥居越しに見事な富士山を眺めることができます。これだけでも十分ご利益がありそうです。
三原神社については、第59代ミス大島による連載コラム『Island Life』の18回目のコラム「伊豆大島の神社」にて紹介しているので是非ご覧ください。
全国的にも珍しい下る参道
噴火時、溶岩が避けたといわれる社殿
まるでアート!?な溶岩たち
三原神社の鳥居の脇には大きな溶岩が鎮座しています。こちらは、火口からあふれ出た溶岩流に乗って、ここまで流れ着いたのだそうです。とにかくデカイ!
三原神社の鳥居の脇に鎮座する巨大溶岩
山頂周辺はさまざまな形の溶岩を見ることができる
そして、ゴジラに形が似ていることからゴジラ岩の愛称で親しまれている溶岩も見ることができます。こちらのゴジラ岩は1986年の噴火の際に流れ出た溶岩が冷えて固まって生まれたものだそうです。それにしてもよく似ています。フォトスポットとしても人気があるのがよく分かります。
絶景が続くお鉢巡り
山頂まで登ってきたら是非お鉢巡りをオススメします!さえぎるものが一切ない超絶景があなたを迎えます。また、木々が生い茂っていない大地は一瞬距離感が分からなくなるような、ちょっと不思議な風景。是非実際の目で見て欲しい景色。
大迫力の巨大噴火口
今回のトレッキングの一番の見せ場はやはり「火孔」と呼ばれる火口です。直径約300~350メートル、深さ約200メートルもある巨大な縦穴です。こちらの火口、1974年に起こった小噴火以前には、底にマグマが見えることもあったとか。とてつもないパワーです。
火口はもちろん、裏砂漠全景を上から眺めることができて、さらに水平線と空が交じり合う絶景が爽快な気持ちにさせてくれます。「来てよかった!」と早くも満足感に浸ります(笑)
空と海と大地が織りなす絶景の中すすむ
裏砂漠がほぼ全域見渡せる
マグマに熱せられた水が湯気となって出ている
北側カルデラ内で起こった割れ目噴火口(B2火口)
裏砂漠、溶岩地帯、植物再生の道
火口をほぼ一周し、三原山を下り途中右に入って裏砂漠に向かいます。
裏砂漠は知る人ぞ知るパワースポット。裏砂漠については「日本唯一の砂漠『裏砂漠』」をご覧ください。
裏砂漠を後にしてさらに進むと、やがて周囲にさまざまな形の溶岩が連なるエリアに入ります。こちらでは実にさまざまな形の溶岩を見ることができます。想像力を膨らませて、いろいろな形を連想してみると面白いですよ!
溶岩エリアを抜けると一本の道があらわれます。こちらは植物再生の道とも言える道で、溶岩エリアから離れるにつれて、草地から低木が生えるエリア、そして森へと続きます。まさに植物がたくましく成長し森を形成するまでの様子を体感することができる貴重な道です。
きっとまた起こるであろう次の噴火によって、このあたり一面はまた焼き尽くされてゼロからの植物再生のドラマが始まることでしょう。命は止まることなく、たくましくつながっていくのです。
草地から低木の木が育つエリアへ
溶岩の上でニョロニョロと成長する木々
三原山トレッキング、いかがでしたか?
このページではすべて紹介しきれないほど、見どころ満載の充実コースでした!
たくさんいい汗かいた後はもちろん、温泉でゆっくり癒されましょう♪
そして、今回のトレッキングを先導して充実のガイドをしてくれた粕谷さん、ご協力ありがとうございました!
三原山温泉について
大島温泉ホテルには三原山を一望できる源泉かけ流しの絶景露天風呂があります。日帰り入浴も利用できるので、今まさに歩いてきたコースを眺めながら温泉に浸かることができます。三原山トレッキングを振り返りながらゆっくり疲れをとりましょう。三原山温泉についてはコチラをご覧ください。
お帰りは...
温泉に浸かった後の移動は大島温泉ホテル前のバス停「三原山温泉」より大島バスに乗って移動することができます。時季によって時刻表が変わりますので、事前に大島バスのホームページ等で確認されることをオススメします。
ガイド紹介
粕谷 浩之(Hiroyuki Kasuya)
伊豆大島ジオパーク認定ジオガイド。
趣味:ダイビング・太鼓・星景写真撮影
好きな場所: 砂漠・三原山中央火口・サンセットパームライン
所属:オレンジフィッシュ代表
三原山トレッキングの見どころ&楽しみ方♪
これぞ火山!だと思えるダイナミックな景 とその荒々しさは、まさに生まれたての地球の原風景…そんな地球の鼓動を肌で感じる事が出来る国立公園ならではの人気のコースです。
トレッキング中に見れるいくつもの不思議な溶岩の謎や、見たこともないような植物にも実はナゼ?が沢山秘められていて、ここには地球が0(ゼロ)から育て上げた大自然の生い立ちが子供でも簡単に楽しく理解できる、ワクワク感満載のフィールドなんです♪
さあ、私と一緒に「なるほど~ 」を見つけに行きましょう!
コース参加に対する注意:
ガイドツアーの場合のコースは時間や人数によっても異なりますので、依頼するガイドさんに相談してみてください。
このコースには日影がほとんどありません。各自、帽子・飲み物等を必ずご持参の上、特に暑い時期は熱中症対策にお気をつけ下さいませ。また、登山靴のような装備は要りませんが、歩きやすい履物でご参加下さい。
認定ジオガイドと一緒に島を巡ろう!
伊豆大島ジオパーク認定ジオガイドのご紹介
今回ガイドをしてくれた粕谷さんはもちろん、他にも伊豆大島ジオパーク推進委員会より認定されたジオガイドさんがいます。それぞれの持ち味を活かしたガイドを通じて伊豆大島の隠れた魅力や独自性について知ることができます。一緒に島を巡ってみませんか?
\オススメプランのご紹介/
トレッキングを楽しむ方にお得なプランのご紹介!
大島温泉ホテルでは三原山や裏砂漠へのトレッキングご利用者向けのプランとして、荷物のお預かり、お食事、温泉がセットになった「三原山・裏砂漠トレッキングプラン」を実施しています。もちろん、宿泊者以外の方でもご利用いただけます。どうぞご利用ください!
\あわせて読みたい/
国土地理院が発行する地図に日本で唯一「砂漠」と表記
「裏砂漠」は国土地理院が発行する地図に唯一「砂漠」と表記された場所です。伊豆大島の象徴ともいえる三原山の度重なる噴火によって降り注いだマグマのしぶきが大地を焼き、植物を燃やし、一面黒い世界を作り上げています。噴火後も風が強く吹きぬける場所であるため、植物が定着しにくく、いわゆる“砂漠”的な光景がひろがっています。
世界的にも貴重な火山専門の博物館
1986年の伊豆大島の噴火の記録を中心に、伊豆大島火山の歴史や火山噴火のしくみ、火山災害の種類とメカニズム、監視・観測体制や防災対策、日本や世界の主な火山について学べる火山専門の博物館です。
突如あらわれる、大地の年輪
島の南西部、沿岸を行く大島一周道路を走っていると、ひときわ目を引く見事な地層の縞模様が突如あらわれます。高さ約24メートル、長さ630メートルの圧倒的スケールの地層の断面が私たちに驚きと感動を与えてくれます。