KITAJIMAQUATICS
SUMMER CAMP2021
自然を感じ、学び、
心と感性ひろがるスイムキャンプ

子供から大人まで水泳の楽しさを多くの人に体感して欲しいという想いから、元競泳選手でアテネ・北京両オリンピック金メダリストの北島康介さんが2011年に設立されたスイミングスクール「KITAJIMAQUATICS」の水泳交流合宿が伊豆大島で実施されました。

今回はそんな交流合宿のレポートとKITAJIMAQUATICSの運営メンバーの方々の想いや今後についてお伺いします。

KITAJIMAQUATICSについて

KITAJIMAQUATICSはオリンピック金メダリストの北島康介さんが「誰でも気軽に水泳をする」場の提供、「水泳本来の楽しさを体感できる」機会の創出、「水泳は一生できるスポーツであること」の認知向上を目的として設立したスイミングスクールです。
今回の交流合宿もそんな理念を背景に、水泳の技術はもちろん、個人の主体性を尊重し、個性を伸ばしていくことを目的に実施されました。

合宿への想い

今回の合宿の実施目的について、KITAJIMAQUATICSのチーフインストラクターで元競泳日本代表の細川さんにお話を伺いました。

「私たちKITAJIMAQUATICSは水泳をライフスタイルの一つとして気軽に楽しく、人生をより楽しくするためのスポーツであることを第一に活動しています。そんなクラブの理念をベースに、今回の合宿においてもその地域でしか味わえない素晴らしい経験や体験を積ませてあげることを第一に考えてきました。また、地元の方々との交流を通じて、地域社会と継続的な関係性を構築しながらお互いを高め合えるような関係づくりを図っていければと考えています。」

細川さんの言葉からも、スポーツを通じて豊かな心を育み、主体性を重視し、積極的にコミュニケーションを図る人に育って欲しい、そんな想いを背景にKITAJIMAQUATICSの皆さんが日々活動されていることが伝わってきます。

合宿先を伊豆大島に決めた経緯

コロナ禍によりイベントが軒並み中止となる中、子供たちに普段味わえない体験をさせてあげたい、そんな想いから何とか開催できないかと考えていたところ、いつも合宿でお世話になっているHISの大田原さんの提案により伊豆大島での実施案が浮上しました。伊豆大島は島内のほぼ全域が国立公園に指定されているほど貴重な自然を多く擁する島であるとともに、現在も火山活動を続ける活火山の島でありジオパークの島です。そして、東京都の離島ということで都道府県をまたぐことなく実施できることも大きなポイントでした。

今回の合宿のポイントはせっかく大自然溢れる離島に行くのだから、島でのアクティビティを思いっきり楽しんでもらいたい、そんな想いもありこれまで実施してきたどの合宿にもないくらい多くの時間をアクティビティに充てました。

伊豆大島に期待したポイント

さて、気になるのは大島に対する合宿前のイメージと合宿後のイメージ。細川さんとともに合宿に同行されたKITAJIMAQUATICSインストラクターのお二人に伺いました。

寒河江(さがえ)さん
「自然の中でキャンプをやるのは子供達にとってもいい経験ですよね。事前に下見にいくことで大自然を十分感じることができましたし、自然の中に身を置くことで心が豊かになるのを感じました。実際にその地に行ってその場に身を置いてみないと分からないことが多いことにあらためて気付かされました。合宿中は子供達の成長を至るところで見たり感じたりすることができたので、実施できて本当によかったと思える合宿になりました。」

青田さん
「なにもないのがいいなぁと率直に思いました。なにもない中でなにをするか?子供達の想像力が刺激されるので、単純になにもない良さや魅力が感じられる合宿になりました。」

大島の圧倒的な自然の中、日常では味わえない経験をさせてあげたい。そして、実際に経験することで、子供たちは確実に何かを感じとってくれている。そんな子供たちの心の変化が感じられたのがよかったようです。

合宿について

3泊4日にわたって行われた交流合宿。
その内容は水泳練習はもちろん、伊豆大島の豊かな自然を舞台に思いっきり楽しんでもらいたい、という想いから、午前中はしっかりとメニューを組んでスイム練習を行い、午後は島内アクティビティを思いっきり楽しむ、というスケジュール構成に。

宿泊先の「リゾートホテル パームビーチ」さんには敷地内に25mプールが併設されており、ダイビングのライセンスを取得する施設としても人気の宿泊施設。プール併設なので今回の合宿先としても最適でした。屋外の開放的な雰囲気の中で思いっきり水泳に打ち込める環境は今回の合宿の趣旨に合致したことはもちろん、美しい夕陽やダイビングポイントとしても有名な「野田浜」もホテルの目の前に位置していた為、島の大自然を感じる場所としても最適です。

今回の合宿では地元の水泳クラブ「サンスイミングクラブ大島」の皆さんとの合同練習を行いました。
サンスイミングクラブの指導者水沼祐介さんとは、合宿までに感染対策を含めていろいろ相談させていただき、無事島の子供たちと一緒にスイム練習を実施することができました。
前述のとおり、地元の方々との交流を通じて、地域社会との関係性を構築しながらお互いを高め合えるような関係づくりを図る、というスクールの理念はもちろん、事前の視察を通じて島の方々にも参加してもらえたら、との想いもあり今回のような合同練習という形式が実現しました。

お互い暮らす場所は異なっていても、こうやって水泳を通じてつながることができる。お互いを高め合うことができる。これからの人生においても水泳を通じてたくさんの人と出会い、交流を重ねながら大きくなっていって欲しい、そんなKITAJIMAQUATICSさんの想いが今回の合宿を通じて子供たちに届けられます。

「KITAJIMAQUATICSでは、みんなの前で発言することの大切さだったり、きちんと自分を知ってもらうことの大切さを教えています。ただ技術を教えてもらう、という受け身の姿勢ではなく、主体的にわからないことをコーチに正面から聞ける姿勢を持って欲しい、そんな想いで日々指導にあたっています。なので、島の人たちともすぐに打ち解けて欲しいという思いで自分から進んで話しかける姿勢を子供たちに見せていました」

と細川さん。常に子供たちの心の動きを追いながら自ら行動で伝えていきます。

アクティビティ

スイム練習を行ったあとはお楽しみの島内アクティビティへ。島内屈指のダイビングスポットである泉津(せんづ)地区の「秋の浜」には海へと飛び込みができるスポットがあり、子供たちもチャレンジすることに。

最初は躊躇していた飛び込みもインストラクターの寒河江さんが飛び込むと後に続こうと次々とダイブする子供たち。その姿は元気の塊そのもの。中には怖くてなかなか飛び込めず、みんなに励まされてようやく覚悟を決めて飛び込む子も。不安いっぱいでこわばっていた表情もいざ飛び込めばたちまち緩み、清々しい表情を浮かべる様子は見ているこちらも元気と勇気をもらいました。

寒河江さんは「怖い中でも飛び越えて、一歩を踏み出す勇気が成長に繋がる。そして、自然に直接触れることができるのが海の魅力。秋の浜だからこそできる体験でしたね。」と振り返りました。

サイクリングも楽しみました。
大島は自動車の数が少なかったり、道も比較的に綺麗なので、サイクリングに最適な環境が揃っています。

サイクリングでは、島の西側に位置する元町港よりスタートして海沿いの絶景の道「サンセットパームライン」を走り、農産物直売所「ぶらっとハウス」を目指すルートをチョイス。

実は今回の合宿を実施する1ヶ月ほど前、海や川・湖といった⾃然の⽔の中で⾏われる⻑距離⽔泳競技「オープンウォータースイミング2021」が大島で開催され、来島されていた北島康介さんから「ぶらっとハウス」のソフトクリームが美味しいから食べてみて!との情報をもらっていたことから、子供たちの間ではぶらっとハウスのソフトクリームを食べることが今回の合宿の目標のひとつになっていたのだとか。

そんな事情もあって、今回はサンセットパームラインを走り「ぶらっとハウス」を目指します。

「サンセットパームライン」はその名の通り美しい夕陽を眺めることができる全長約5kmに渡って海岸沿いを走る美しい道。運が良ければ美しい富士山も見ることができます。高低差も少なく、車道と遊歩道が別れているので安心して走行できるので、道に迷うこともなく初心者にオススメです。

打ち寄せる波の心地よいBGMに耳を傾けながら順調に走行する子供たち。この日は最高の天候でしたが、容赦なく照りつける太陽と厳しい暑さがどんどん体力を奪っていくので、子供たちの体調が心配。熱中症にならないようにこまめに休憩をとりながら、水分補給も忘れずにゆっくりマイペースで進んでいきました。

途中の休憩中、海上でウミガメがときどき息継ぎする様子を見つけます。

「え!どこどこ!?」

とみんな一斉に海面に注目です。

しばらくすると続々と「あ、いたいた!ほんとだ、すごい!!」の声が。
(残念ながらほんの一瞬だけ顔を出すのでカメラに収めることはできず…)

こんなふとした瞬間にも普段では体験することのできない大自然が目の前に広がっていることを実感。様々な生き物たちがこうやって私たちの近いところで生活している。そんなイメージを心に抱きながら自然の魅力を知り、そして、満喫している様子が伺えました。

青田さん
「自転車が苦手だった子も最後は楽しんでいました。一方で、“休憩がもっと欲しかったー”という声も笑。ゆっくり走っている理由が“景色をしっかり覚えていたかったから”と言っている子もいて印象的でしたね。」

細川さん
「苦しいだけに達成感がありました。頑張り抜いた先に食べたアイスは忘れられないでしょうね。」

と振り返りました。

絶景スポット「裏砂漠」

伊豆大島が誇る絶景スポット『裏砂漠』にも行きました。

裏砂漠は日本で唯一国土地理院が発行する地図に「砂漠」と表記されている場所。

噴火によって吹き出した玄武岩の黒いスコリアが一面に降り注ぎ、年中風が強く吹くことから植物も育ちにくい環境が影響して、地球上とは思えない不思議な景色が広がっています。そして、富士箱根伊豆国立公園の中でも最も規制の強い特別保護地区のため、裏砂漠は車両の乗り入れを禁止するなど厳しい規制をひいて、自然環境や生態系を守っている貴重なスポットです。

月と砂漠ラインの終点の駐車スペースに車を止めて、そこからは歩いて裏砂漠へと続く森のトンネルを進みます。トンネルを抜けると、少しずつ視界が広がってきて、やがて眼下に広がる大地とその先に広がる水平線が見えてきました。この景色の変化は子供たちも予想していなかったようで、一様に驚きと感動を隠せない様子でした。

裏砂漠はここでしか見れない唯一無二の絶景。裏砂漠越しに富士山の姿も眺めることができて最高のご褒美体験に。自然が生み出す圧倒的なパワーと美しさ、そして恐ろしさをも感じられる場所。見るものに様々な印象を抱かせる不思議なパワーをもった裏砂漠は子供たちにとっても印象深い場所になったことでしょう。

裏砂漠の広大な空間を活かしてそれぞれ自分の夢を思いっきり叫びました。普段ここまで何も気にすることなく、躊躇せずに叫べる場所はないでしょう。みんなの心の叫びを分かち合い、より団結が深まります。

そして、約2万年もの歴史が積み重なった地層切断面にも立ち寄りました。想像をはるかに超える時間がつくりあげた巨大な痕跡に圧倒的な地球のパワーとスケールを感じる1日になりました。

最後の夜はみんなでBBQ!

合宿最後の夜はBBQを行いました。

みんなで交代しながらお肉を焼いていきます。普段なかなか出来ないことを経験するのは楽しい。煙に悪戦苦闘しながらも調理を楽しんでいました。自分たちで焼いたからこそ、なおさら美味しいご馳走になりました。

他にも伊豆大島の郷土料理であるべっこうや明日葉、ところてんといった島ならではの食材や料理も味わうことが出来て大満足なBBQに。

「子供達がとても喜んでいました。島の食材も出してくれてすごくよかったと思います。もちろん宿泊先の食事も美味しかったのですが、外でみんなで食べる経験がとてもよかったと思います。」と細川さん。

BBQの後は目の前の海岸「野田浜」に出てスターウォッチングへ。この日は天候もよかったので、満天の星と天の川を観ることができました。普段の生活ではなかなか観ることができない夜空一面に広がる美しい星空に驚きや感動がとまらない夜になりました。

最終日も海で遊ぶ

3泊4日の合宿もあっという間に最終日。

最後は帰りの船が出航するまでの間、島の北部の港「岡田港」近くのビーチ「日の出浜」で海水浴をすることにしました。海で泳ぐ子や、海岸に打ち寄せる海藻を拾いあつめる子、砂を掘って遊ぶ子などそれぞれ思い思いに楽しんでいました。

そして、なんと一緒にスイム練習を頑張った島のお友達から大きなスイカの差し入れが。これは嬉しいサプライズでした。

海水浴場にスイカが揃えばやることはただ一つ。
そう、「スイカ割り」です!!

みんなで声をかけて仲間をスイカの位置へと誘導しますが、これがなかなか難しい。
なかなか割れないスイカ。でも、そんな時間も楽しいスイカ割り。笑

最後は女の子が見事にど真ん中を叩き割ってフィニッシュ!
彼女に感想を伺うと「何も言えない!気持ちいいー!!」と素敵なコメントをいただきました。笑

そして、島を離れるとき

みんなで思いっきり練習して、元気いっぱい遊んだ合宿もあっという間に過ぎ、島を離れる時間に。これまでの思い出を振り返りながら桟橋へと向かうと、一緒にスイム練習を頑張った島のお友達がとっても素敵な横断幕を持って待っていてくれました。

これには細川さんたちも驚きとともに込み上げてくるものがあったそうです。

一緒に目標を持って練習に取り組み、一緒に遊んだ仲間だからこそのサプライズ。
3泊4日という短い時間であっても、気持ちが通じ合った時間はかけがえのないものになります。そんな人と人との繋がりから生まれた“かけがえのない時間”はやがてそれぞれにとっての“かけがえのない場所”になっていきます。

最後に、「今回の交流合宿をきっかけに来年も伊豆大島で実施し、引き続き島の皆さんとの関係を深めていきながらお互いが学び合い、成長しあえる関係を育てていきたい。」そう語った細川さん、KITAJIMAQUATICSの揺るぎないビジョンのさらなる発展を後押しするものとして今回の合宿を位置付けられたのではないでしょうか。

KITAJIMAQUATICSの皆さん、また来年お待ちしております。

KITAJIMAQUATICS

住所:〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町3-7代官山木下ビル

TEL:03-6452-5855

URL:kitajimaquatics.jp/

営業時間
平日(月~金)10:00~18:00

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