今回ご紹介するのは、波浮港の中通りにある純喫茶『モンマルトル』さんです。
モンマルトルとは、フランスの首都パリで一番高い丘がある一帯のこと。なぜ、波浮港にモンマルトル?とっても気になります♪
カフェは山口さんご夫婦が営んでおり、旦那さんの健介さんは波浮地区の出身。店舗のコンセプトや設計、施工までを行う健介さんに対して、奥さんの薫さんはカフェ運営を担当されています。こちらのカフェの他にも、同じ波浮地区で、波浮港開港当時の雰囲気を今に伝える宿「五十番」や大正ロマンの世界観が評判の宿「露伴」を手がけています。健介さんのセンス溢れる独創的なインスピレーションによって生み出された数々の空間は、かつて多くの文豪たちに愛され、様々な作品が誕生した文人墨客のまち「波浮港」が持つ世界観に通じるものを想起させてくれます。
中通りを歩くと、さっそく深い青色が印象的なレンガと扉が見えてきました。窓には、風車のイラストにモンマルトルと書かれたレトロな文字からなるロゴ。ノスタルジックな波浮港に合いますね~。かわいい♬
さっそく中に入りましょう!扉を開けると、そこはパリの本屋さんのような重厚感のある空間。これは、どこでもドアだ!壁一面に広がるゴッホの特徴的な筆のタッチをイメージさせるような壁紙のデザインに圧倒されました。そして、随所に散りばめられたアンティーク家具の美しさに感動します。
本棚には、小説や漫画など店主さんおススメの本が並びます。時間を忘れて本を読んでいると、どこか遠い国に来たような気分になります♪
階段を上ると、そこは憧れの純喫茶!レトロなグリーンと木目調の店内は、まるで映画のワンシーン。なんだか物語が始まりそう♬壁にはカフェのモチーフとなったゴッホが描いた作品「モンマルトルの風車」が飾られています。健介さん曰く、モンマルトルと波浮港は、町並みや踊り子文化など、似ている点が多くあるとのこと。また、「波浮の見晴台」など波浮にまつわる作品を多く残し、伊豆大島と縁の深い版画家の棟方志功は、「わだばゴッホになる」という有名な言葉からも分かる通り、ゴッホに憧れていた一面も。モンマルトルと波浮港、ゴッホと棟方志功には、こんなにも深い繋がりがあったのか!そんなところに着目する健介さんの発想力にも感心しました。
2階の大きな窓からボーっと波浮港の風景を眺めていると小雨が降ってきました。かつての文豪たちもこうして自然が見せてくれる様々な表情や移ろいを感じ、癒されながら、歴史に残る作品を生み出していたのかなあ。
お店の名前にまつわる謎が解けたところで、さっそくメニューを決めましょう!
カレーライス、生姜焼き定食、大島牛乳を使用したアイスカフェラテ、クリームソーダ、ミニパフェなど、誰もが大好きな定番メニューが味わえるみたい。どれを選ぼうか迷いますが、今回はカレーライスとメロンクリームソーダを注文しました♪
カレーライスが来ました!スパイスのいい香り。銀のお皿にたっぷり盛られたご飯とカレーは、昭和を感じる懐かしさ♪
健介さんがこだわって配合したスパイスが程よい辛さで美味しい!お肉と野菜の旨味が溶け込み、コクのある味わいです。とてもクセになる味でスプーンが止まりません♬スパイスの力で食べ進めるごとにじんわりと体が温まります。心も身体も大満足です!
ご飯の後はやっぱり、甘い物♪
幼い頃大好きだったメロンクリームソーダ。弾けるグリーンのメロンソーダに、濃厚なバニラアイスと真っ赤なさくらんぼ。昔、アイスが溶けないように無我夢中で食べていた頃を思い出しクスッとしました。クリームソーダは食べると幼い頃の気持ちに戻れる魔法のスイーツですね♪
では、頂きます!
バニラアイスを一口食べて、すかさずストローでソーダを吸い込みます。濃厚なバニラとメロンソーダの爽やかな風味が懐かしい記憶をよみがえらせてくれます。これこれ!美味しいなぁ。時間が経つと次第にアイスがソーダに溶け込んでいくグラデーションも素敵。ごちそうさまでした!
波浮港のエリアではまだまだ飲食店が少なく、ランチに困っている人も多いそう。
そんな方々の困ったを解決するためにカフェを開いていると話す山口さんご夫妻。お客さんが充実して波浮港を観光できるように、次々と素敵なスポットを生み出しています。波浮港の歴史を大切に受け継ぎながら、新たなエッセンスを加えていくお二人はとてもかっこいいです!これからの波浮港に目が離せません♪
モンマルトル
住所:〒100-0212 東京都大島町波浮港1
TEL:080-2742-0702
営業時間11:00-16:00(金〜火曜)