ツール・ド・オオシマのウィークエンド

風を味方に、自転車でめぐるツール・ド・オオシマのウィークエンド

旅の雑誌『PAPERSKY』から誕生したクラブ活動のひとつ<Bicycle Club>のキャプテンKaOです。

自転車にまつわるさまざまな楽しみを伝える自転車アクティビストとして、2010年より日本全国の魅力を再発見する旅<Tour de NIPPON/ツール・ド・ニッポン>を提案しています。

その、ニッポン全国をめぐる自転車旅「ツール・ド・ニッポン」のシリーズ最初の場所として選んだのが、東京都の伊豆大島でした。

関東近郊に住む人であれば、高速艇で2時間足らずという近場にありながら“船でゆく”というだけで、ワクワクこのうえない大島は、一周しても約45km。車や信号も少なく、海沿いの気持ちいい道を上って下って……初心者〜上級者までそれぞれに自転車旅を楽しめる島として、サイクリストも多く訪れるそうです。

イベント数日前に、確認のためのコース試走を完了。当日のシミュレーションは万全!だったのですが……
ツール・ド・オオシマは“島”らしい嵐のような風雨に見舞われることになったのです。

当日の朝、「ゴォゴォ」という風の音で目覚めた私の不安は、的中!
ツール・ド・ニッポンの旅に欠かせない旅のお供BRUNOはスタート(集合)地点である元町港へ、参加者の先回りをして到着している予定だったのですが強風のため、みんなの乗る大型船から遅れたうえ、参加者と同じ岡田港に到着したのです。

自転車を乗せた貨物コンテナの到着待ちと強風のためサンセット・パームビーチ・ラインを走るルートを、やむなく諦めることになったものの予定より2時間近く遅れながらも、参加者25名は、元町港から、南の波浮港を目指し元気よくスタート!

町営牧場ぶらっとハウスで購入した大島牛乳に、牛乳せんべい、地元お母さんたちの手づくりまんじゅう“かしゃんば”を道中の補給食に大島一周道路を半時計回りに、のぼりがいのある坂道を上る、上る、上る……

その達成感と爽快感からか、私の不安をよそに、みんなの笑顔はキラキラ!

緑のトンネルをくぐり抜け、目の前に開ける大海原、バウムクーヘンとよばれる地層断面を楽しみながら評判の寿司店「大関」の名物、べっこう寿司に舌鼓!港では、干物づくりのワークショップを体験し旅の終わりには、大島牛乳をつかった手づくりアイスをペロリ。無事に、大島ライドを終えたのでした。

さて、単なる自転車の旅で終わらないのが、ツール・ド・オオシマの旅。

ライドの後、東京から料理人のchioben/山本千織さんをお招きし明日葉や椿の花など、島の食材や彩りを生かした料理を楽しむ「大島まるごと!いただき祭」を開催。

ライドに参加してくれた人も、ご飯会だけに参加する人も、島民の人にもとにかく“食”を通じた交流の場にしてもらいたい!と思っていたこの催し。

お料理自慢のお母さんたちの島ごはんと、千織さんがつくりだす新しい大島ごはんのコラボはもちろん地元食材の販売ブースや、TO-ON(トウオン)による心地いいライブ、また、会場で急きょ開催した椿の花の折り方講座は、特に女性陣に大人気!

100名近くあつまったお客さんたちの、嬉しい笑顔あふれる、忘れられない一夜になったのでした。

翌日は、大島名物の、溶岩石に覆われた大地/裏砂漠で、朝陽を体いっぱいにあびる時間を過ごしたり三原山を、ネイチャーガイドの方とともにトレッキングする時間を過ごして、大島を後にした。

“自転車で、知らない街を走りたい(知りたい)”“大島に暮らす人と、触れ合いたい”ツール・ド・ニッポンで大事にしている、そこに住まう人や食材、伝統や文化、自然とのふれあい。いま思えば、あれほど不安だった曇天や強風は、大したことはない、気にならない!というほどに、“気持ちいい!”大満足な大島旅でした。協力してくださった地元の皆さん、本当にありがとう!

またすぐに、大島で、会いましょう。

これからのTour de NIPPONに注目!

Tour de NIPPONの情報は、

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