柑橘系がよく育つ伊豆大島の風土
伊豆大島は黒潮の影響を受ける温暖湿潤な海洋性気候の為、柑橘系の植物も良く育ちます。なかでも橙(ダイダイ)は島内の各家庭の庭に育っていることも多く、島民に親しまれている果実のひとつです。
ダイダイは何年も木に付いたまま落ちることなく、冬には橙色に色づき暖かくなるとまた青くなり再び冬になると橙色に色づくといったように繰り返すため、ひとつの木に何代もの実が一緒になることから、繁栄の象徴として昔から縁起物とされ、正月の飾りなどに利用されてきました。
ダイダイは搾っていただきます
ダイダイは酸味と苦味が強いため果実を直接食すには適しませんが、果汁は酸味が強く風味もよいので様々な用途に利用されています。
冬の冷える時季にはお湯にダイダイを搾って蜂蜜を加えていただきます。風邪予防にも効果がありそうですね。
元町の藤井工房さんのダイダイのホットジュースは柑橘系の香りとともにほっこり心身を温める逸品として人気です。
家の庭に普通になっているあたりまえの果実
伊豆大島では普通の民家の庭にダイダイの木が育っていることもあり、毎年あたりまえのように実を収穫して各家庭や近所に配られて消費されることが多いようです。そのせいか、ダイダイを使った加工品(商品)はほとんど見かけません。
焼酎にギュッと搾って
そんなダイダイを絞って島焼酎に割って飲むのも乙です。
さわやかな柑橘の香りと酸味が特徴のダイダイはお酒との相性も抜群です。
特に焼酎の独特な香りが苦手な方にはダイダイの果汁を搾ることで独特なクセが解消されて抵抗なく飲めるようです。
また、ビタミンB1、B2、Cなどがふくまれていて、食欲不振、消化不良、胃炎、風邪、肌荒れなどに効果があるといわれています。
ただし、飲みすぎには注意です(笑)。
縁起物はお正月のお料理にも大活躍!
ダイダイの酸味は昔から調味料として、特にお酢の代わりに用いられてきました。また、お正月の時期に橙色に色づき収穫の最盛期を迎える為、お正月のお料理に欠かせない“なます”にお酢の代わりとしてダイダイの搾り汁を加えたりします。
柑橘系の風味と酸味はおせち料理の箸休めに最適なんです。
ダイダイの皮は入浴剤に
搾った後のダイダイの皮を布袋に入れてお風呂に浮かべることで入浴剤としても効果を発揮します。さらに、細かく刻んで、天日干しすれば、より効果的な天然の入浴剤として使い勝手の良いものになるでしょう。
体の冷える時季、ダイダイ風呂は血行を良くし体がポカポカ温まります。冷え性やリウマチ、神経症の予防、改善の効果が見込めます。また、新陳代謝が高まる為、美容にも良いとされています。
(ただし、敏感肌の方や乳幼児には注意が必要です。)
さぁ、ダイダイで新しい年を元気にスタートしましょう!