セルフビルドの静かなこだわり空間でゆっくり寛いで欲しい
伊豆大島に暮らす人にお会いし、お話をお伺いする企画、その名も「島人Focus」。
今回は伊豆大島の南部地区にあたる差木地にセルフビルドのカフェ「スペイキャスト」をオープン、ジャズをはじめとする良質な音と書籍につつまれたシックな空間をつくり上げた馬場仁さんにお話を伺いました。
-素敵な空間ですね!すべてご自身でつくり上げたんですか?
はい。すべてセルフビルドで建築しており、お金もかけないよう工夫しています。
最近出版した書籍(※1)に、お店をオープンするまでの実践記録をまとめていますので、よかったらご覧ください。
20代の頃よりジャズ喫茶に通い始めたのがきっかけでジャズを聴くようになり、毎日好きな音楽を聴きながら暮らせるジャズ喫茶のオヤジに憧れを抱いていた時期がありました。
その後、社会に出てテレビ局のプロカメラマンとして仕事をこなす日々を送ります。
やがて、フリー写真家となり田舎暮らしの現場などを中心に取材する中、自分も田舎暮らしを実践しようと思い立ち、39歳で伊豆大島に移住しました。農園を主宰し、養鶏を中心に仕事に追われてきましたが、50代になり、もう一仕事取り組みたいと考えるようになり、ふと若い頃の思いがよみがえり“洒落たジャズ喫茶”をやりたい、と考えるようになりました。
それからは、ジャズ喫茶開店に向けて自分の手で店づくりを進めていきました。しかも、予算は限られていた為、「ヤフオク!」や「廃材」などを使い、自分の手でゆっくり着実に進めてきました。
-オススメのメニューは何ですか?
自家焙煎のコーヒーとタイ風カレーです。コーヒーは挽きたての新鮮な豆のコーヒーをお楽しみいただけるよう、自家焙煎した豆を使用しています。
また、海外の旅先で何度となく食べてきた僕にとって馴染みの“アジアのカレー”は自信を持って出せて、なおかつ島にないメニューということでオススメです。タイやスリランカなど、現地のカレー風料理を多少アレンジして提供しています。地物野菜についてもできるだけ使うように心がけています。
-オーディオ機材にこだわりを感じますね!
もともとジャズ喫茶をやろうとはじめた手前、それなりの音楽再生装置は入れなければならないですし、元々自分の趣味でもありましたから。
ちなみに、機材やLPレコードなどは開店のために揃えたというより、以前から自分の趣味として購入してきたもので、それらをそのままお店に転用しています。
-島でお店をやって良かったことは?
ゆったりした空間のお店ができることがいいですね。
スペース的にも時間的にもゆったりできる。都内に比べたら固定資産税はないみたいなものですしね(笑)。
ここは私の今迄の経験が凝縮してできた店です。喫茶店はオーナーの思い入れがないと続かないと思っていますが、長く居られるのが大切。
そして、お客さんがいないときはお気に入りのジャズを大音量で心ゆくまで聴きこめるのもいいですね。
今後もできる限り続けて行きたいと考えています。
馬場さんの大島オススメ情報
トウシキキャンプ場からみる風景。向こうの島々が見え、夕日もキレイです。
リゾートホテルがあっても良さそうな立地だけど国立公園という事で景観が保たれています。
※1 馬場さんの店づくりについては平成26年10月3日に出版した本『「ヤフオク!」と「廃材」で格安開業!自分の手で店をつくる』に詳しく記されていますので、興味のある方は是非ご覧ください。