森林インストラクター 西谷香奈さん

自然豊かな伊豆大島から生きている地球、感動を伝えたい

伊豆大島に暮らす人にお会いし、お話をお伺いする企画、その名も「島人Focus」。
今回は伊豆大島ジオパーク推進委員で森林インストラクターの西谷香奈氏にお話を伺いました。

-山のガイドをはじめたきっかけを教えてください

大島の海に惹かれて移り住み、海のガイドを始めて早20年。6年ほど前からは植物に夢中になり、島中を歩き回っては写真に収めるようになりました。そのうち、3年半前頃から山のガイドを始めることに。

また、伊豆大島は活火山の島です。火山の勉強を始めてからはますます山の魅力、深みにはまり、大島の自然の多様さに目を見張る思いでいます。

-山のガイドを初めて変わったことはありますか?

もともと、動物の動きや雨粒や雲といった自然現象の動きなど、自然の中で変化していくものを見るのが好きでしたが、山を歩くようになって、植物も動いていることに気づかされました。

植物は光を得るため、子孫を残すために、少しづつ少しづつ動いている。ときには植物同士の生存競争ともいえる戦いの光景を目の当たりにすることもあり、そんな事実にはっとさせられます。

また、シーズンオフを利用して世界中の自然を見てまわり、その土地のネイチャーガイドから刺激を受けるとともに、伊豆大島の豊かな自然、そのすばらしさを再認識しています。

そして、もっと多くの人にこの島の自然のすばらしさを伝えたいと考えるようになり、森林インストラクターの資格を取得しました。

2010年に伊豆大島が日本ジオパークに認定されてからは、伊豆大島ジオパーク推進委員として、日々伊豆大島のジオパークを島内外に伝えるべく動き回っています。生きている地球を実感することができる、この島のすばらしい自然環境を皆に伝え、感動を共有することで、より多くの人々に地球のすばらしさを実感していただけたら嬉しいですね。

-ガイドで気をつけている事、工夫していることはありますか?

山の歩き方は人それぞれで、興味を示す対象もいろいろです。
お客様の疑問・質問になるべく答えられるようにするため、できるだけフィールドに出て情報を集めたいし、伝わりやすい言葉を選ぶよう、気をつけています。

実際に火山の大地を歩いたり、触れたり、重さや手触りを実感することで、自然そのままを伝えたい。リアルな自然を伝えたいと思っています。

そして、島の自然を伝える次の世代のネイチャーガイドを育てることも大切です。豊かな自然をいつまでも守っていくためにも必要なことだと考えています。

-ガイドの醍醐味は何ですか?

ガイドの仕事は目の前の景色の奥にある物語を伝えること、そしてお客様と一緒に新たな物語を探すことだと考えています。

植物や虫にだけ注目するのではなく、そういう小さな生き物も、人の暮らしも、みんな地球の動きとつながっているということを感じられるのが醍醐味です。
今はもっぱら地球の物語探しを楽しめる大島というジオパークに夢中です。

西谷さんの大島オススメ情報

おすすめの場所…これが困りました。何しろ全部好きなのです。
例えば、一面黄金に光り輝くススキ野原を見下ろす三原山内輪山の岩の上や、幻の池を見下ろす三角の塚の前、360度見渡せる剣が峰や、裏砂漠の第2展望台、溶岩の森、椿の散る民家の小道や、波の砕ける海岸…ありすぎ…。どうしましょう?

西谷 香奈さん

西谷 香奈

森林インストラクター。伊豆大島ジオパーク推進委員。大島ネイチャーガイドクラブ副会長。
小さい頃から動物好き。都会暮らしの頃からアリを飼ったりトカゲを飼ったり…。特に生物同士の関わりや、変化していく自然に思いを馳せるのが好きです。

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